チームファンタジスタ、共同代表対談! 「何かを一緒にやる”Do”」のためではなく、「最高最強の自分でいられる”Be”」のためのチーム、チームファンタジスタが目指すチーム像とは?(後編)

チームファンタジスタの2代目の代表として現在チームを引っ張っている、山岡 史典さんと横内 秀理さん。お二人に代表就任後1年半ほど経った今感じている、熱い想いをお伺いしました! 

2部構成でお届けしている後編です。ぜひご覧ください。

(前編はこちらからご覧ください!)




ーチームを引っ張るお二人として、「どうしてチームなのか」、というところを改めてお聞かせいただけますか。


山岡 :個人がやりたいことがあって、それを実現するうえでこんな課題がある、こんな悩みがある、というのをみんなで一緒に自分ごととして悩む場があるのは、すごく大切だと思っていて。メンバーが悩んでいることがあったとして、それに対してみんなで解決策を考えることはそのメンバー自身のためでもあるんだけど、全く違う場面で自分への答えとして返ってくることもある。チームでやっていたからこそ解決策を出せた、みたいな。それがチームの良いところだと思います。共同代表に就任するとき2人で共同声明みたいなのをチームに発表したんですけど、個人の力を最大化していけるチームという一瞬逆説的なことを言って。それは、そういう意図がありました。

横内 :世の中に出てくるものは、全部綺麗な形じゃないですか。それまでの過程を知らない人だったら「自分にはあんな素晴らしいものできない!」 と思っちゃうんですけど、その過程を僕は知っていて。試行錯誤しながら、最初は大した案じゃないのに、ちゃんと世に出せるものになっていく過程を知ると、「ああ、自分でもできるんじゃないか」と思えて。だから僕は、チームである意味がすごいあるなって思ってますね。

山岡 :「機会があれば自分もやれる!」 って思う人はたくさんいると思うんだけど、それも実はやってみたらこんな課題があったとか、それを知っているだけでも価値がある。その職場でチャンスがあったからやりたいことができた、だけではない、っていうことを知っている。それは大きいよね。

(代表就任時の所信表明プレゼンから)


ーそういうチーム全体の流れができているのはなぜだと思いますか?


山岡 :合宿で「年間こういうことをやろう」とメンバー一人ひとりが宣言をしていること。これをやることで発信する権利かつ義務がある、というところがあるかもしれないです。

チームファンタジスタでは年1回合宿をやっているんですね。今年は新型コロナウイルスがあり、延期になっていますが。そこで自分は何者か? とか、欲しい未来ってどんなものか? とかをワークショップ形式でやりながら、最後には「じゃあ今年は何をやるの?」と自分に突きつける合宿です(笑)。月1ミーティングには普段参加しないメンバーも合宿には参加してくれたりして。運営メンバーが毎回めちゃくちゃ良い合宿先を提案してくれるんですよね。周辺の雰囲気も良くて、ご飯も美味しくて。それ目当てで参加してくれるメンバーがいてもそれはそれでいいかな(笑)。

横内 :僕は、いろんな人の熱量を体感して、自分も負けずに出したい、っていう想いプラス、チームの人は喋っても絶対否定しないという心理的安全が揃っているからです。

(過去に実施した合宿の様子)


ーチームとして、こんな温度感でありたい、というイメージはありますか?


横内 :僕は、「こんなこと思ってる」っていうエネルギーをぶつける場にしてほしいなって思ってます。「うまく言葉にできないけど、こういうことしたいんですよねえ、僕!」 みたいな。それをみんなが持ち寄って、エネルギーがその場にたくさん集まっている場づくりができればなって。

山岡 :くだらないことも真面目なことも同じくらいの温度感で話したいなと。その意味では、代表の役割としてはくだらない時は真面目なことを、真面目な時はくだらないことを出すようにバランスをとっていく必要はあるかもしれません。


ー代表になる前となった後で変わったことがあれば、教えてください。


横内 :誰でもなんでも喋れる場づくりをしたい、という気持ちがあります。それを自分が体現できるように、「ガムシャラアクション仮面!」 みたいになりたいと思ってます。考えるのはふみすけさんに任せようと思っていて(笑)。 自分はとりあえず動いて、この1ヶ月のやったことをみんなに喋って熱量を伝えられたらな、そしてみんなが、僕が昔思ったように「こんなに自由に動いて良いんだ。なんか楽しそうだな」と思ってくれたらな、と思います。

山岡 :前代表の村上さんの個性が強かったから(笑)、村上さんと同じことをやってもしょうがないなとは思っていました。「じゃあ自分には何ができるか?」 を考えたときに、メンバーの話を聞くことくらいしかできないなと。逆にそれを強みにしようと思って。「こうしようぜ」というよりは、その人の内面を掘り下げて向き合ってきた気がします。話を聞いて、その人自身が解を見つけていけるようなリーダーもありかなあ、と。結局、自分で解を出せるように何をするかというと、接続詞を与えるということだと思うんですよ。悩んでいることを聞く時に、「だから?」 と聞くのと、「だけど?」 と聞くので、出てくる解が違うと思う。だから接続詞を使ってうまくその人の発想を広げているのかなって。



ー代表としてのお二人のスタイルはそれぞれ異なっていると思います。お互いに補い合っているところや尊敬しているところはありますか?


横内 :圧倒的に課題を整理してくれる力があると思うのと、本当に妥協しない人だなと。ふみすけさんと出会って、人生にとってプラスだったなと思ってます(笑)。 自分と真逆の人を見ると、自分に足りていないことが浮き彫りになります。僕は言語化するのがすごく苦手。ふみすけさんと対話したあと、すっきりするんですよ。

山岡 :素直っていうか。裏表のないところって自分にはないなと思っています(笑)。 裏表がない状態でないと、周りからなんでも話したいと思ってもらえないから、そういう雰囲気を作らないとなと、常々横内を見て思ってますね。

横内 :あと、ふみすけさんのアカデミック感を見習おうと思って、大学のOBで構成される勉強会にジョインして、知らぬ間にに執行役員になってしまった(笑)。 僕がやっている社内イラストレーターもふみすけさんの影響です。ふみすけさんがfacebookで発信しているから、「僕も何か発信しなきゃ」と思って。


ーJRグループの中にチームファンタジスタのような有志チームがある意味について、考えていることはありますか?


横内 :JR東日本はめちゃめちゃ余白がある会社だと思います。今、別の会社に出向しているんですが、判断軸が「比較的短期的な投資回収」を前提にしている気がするんですよ。それは会社としてすごく重要であることは間違いないんですけど、それに加えて、JR東日本は自分の意思を盛り込める余白の多い会社だと思っていて。チームファンタジスタは、そういった場所で輝けるマインドを醸成する場所かなと。だから会社にとっては、余白を持っている意味を最大化できるものなのかなと思っています。

山岡 :収益に経営資源を集中させるというのは正しいんだけど、JR東日本は安全を通じてお客さまの信頼を得るとか、社会的に良いことをすることとか、経営の持続可能性に対して収益以外の項目の割合も少し多いというか。それを考えられるという意味で、このチームの意味はあるかもしれない。会社のいろいろな課題に対して、いろんな問いや答えを返せるチームではあると思う。

横内 :ファンタジスタでやっている「自分とは何者か」という軸と、JRの考えるまちづくりの考え方がすごく合っていると思う。JRは100年後、そこに鉄道を残すためには何をすれば良いのか? という視点で考えています。ファンタジスタで考える欲しい未来、っていうところは、かなり長い時間軸にフィットしているのかなと思って。そういう意味では相性の良いことをやっているんだな、って思っています。

山岡 :会社の寿命の方が人の寿命より短くて、そういう意味では会社起点で発想するより、ファンタジスタで大切にしている個人起点に焦点を合わせた方が、長生きできます、ということなのかな。さっきから何故かそこに村上さんがいるんですが(笑)、どうですか?

村上 :会社を持続的に成長させるドライバーとなるのは、結局、人材です。社員一人ひとりが事業を創造し続けていて、生き生きと働いている状態こそが、会社にとっても大切だと考えます。ファンタジスタの、中長期視点でつくりたい未来を描き、そのために今何をするのかというアプローチは、長いスパンで社会にどう貢献するかを問われるJRの事業とフィットしていると感じます。そして、その結果として、中長期的に見たときに、会社の収益が最大化するのだと信じています。また、個人を起点にしたほうが、既存事業の延長の事業アイデアではなく、非連続な事業アイデアが生まれやすいので、会社の寿命を伸ばすことになるかもしれませんね。

いずれにしても、個人の想いを起点に次から次へと事業が生まれる状態をつくることが、企業の持続的成長モデルなんじゃないかと、もともとファンタジスタをはじめた頃から仮説として持っていました。ファンタジスタでは、まずは小さくてもいいから個人起点でプロジェクトを立ち上げることにこだわってきました。その経験をした個人だからこそ、いざ大きな”やりたいこと”が出てきたときに、より素早く、より大きな事業を実現できるのだと考えていますし、そういうステップアップをしている仲間が増えていることを嬉しく思います。なので、会社にとって十分意味があると思ってます(笑)。

山岡 :JRは収益という目に見えやすい持続可能性を追求していく使命はあるけれど、個人起点で、会社をより長い目線で考えているチームっていうのがいるっていうのは、意味があるかもしれないですね。


ーそれでは最後に、チームとしての今年の抱負をお聞かせください!


山岡 :今、社会が大きく変わろうとしていていて、そういう時に一人で悩んでいてもなかなか解決策が出せないし、そういう中でチームで一緒に悩むっていうのは、今みんな求めてるんじゃないかな? と思います。だから、僕らももっとウェルカムな雰囲気を出していきたい。

横内 :僕は生煮えプロジェクトをすごく出したい。生煮えのところから綺麗になっていくプロセスにすごい学びがあると思うから、そういったところから発信していける環境を作りたいなと思います。


*お二人のファンタジスタとの出会いや、個人のプロジェクトの中で生まれたストーリーについては、今後公開予定のインタビューにてじっくりご紹介する予定です。


山岡史典

1984年生まれ。京都生まれ北海道育ち。チームファンタジスタ共同代表。慶應SFCにて建築、マーケティング(ブランド論)を学ぶ。2010年東日本旅客鉄入社。ルミネ出向、復職後都市開発・沿線ブランディングに従事。現在東大まちづくり大学院にて鉄道沿線まちづくりの研究を行う。「地図を見出し、編集し、気づきを与えるマップチェンジャー」としてチームファンタジスタ共同代表を務める傍ら、味噌汁をアップデートするプロジェクト「ミソシル・ミクソロジー」を行っている。

横内 秀理

1990年生まれ。大阪府出身。チームファンタジスタ共同代表。靴職人の父の元に生まれ、名前の秀理(shusuke)はそれに由来する。2014年東日本旅客鉄道入社後、建築をメインに現場経験を積み、現在は外部出向会社で「働き方の未来」を模索中。無人駅のDIYや行政を巻き込んだ活用方を動きながら実現。”動きまくる姿を見せてメンバーの背中を押す"のがポリシー。「社内イラスト屋」としてプレゼン資料のイラストやロゴも手がける。


取材・文 / 大沼 芙実子

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