100回記念企画vol.2「あなたは『会社人』?それとも『社会人』?」丸山史人さん

チームファンタジスタは2013年からスタートし、2022年には10年目を迎えました。毎月開催している「F-MTG(ファンタジスタミーティング)」は、2021年11月で記念すべき100回に達しています。

今回はその100回に合わせた特別企画「“遊ぶように働き、働くように遊んだ"わたしたちの軌跡」と題して、ファンタジスタメンバーのインタビューをご紹介します!

第2弾は、丸山史人(まるやま ふみと)さん。いつでもオープンマインドな朗らかさに加えて、メンバーが聞けば「いつ寝ているの?」と不思議に思うほどの圧倒的な行動量と情熱を持ち合わせ、日々周囲に刺激を与えています。そんな丸山さんは、ご自身の過去を「『会社人』だった」と振り返ります。そこから「社会人」として目覚め、チームメンバーに今も情熱を伝える丸山さんのこれまでと、今の思いを聞きました。

(写真は、写真心理学でチームビルディングを行う「miit」のブランドモデルを、チームファンタジスタメンバーで担当した時の一枚です)



「あなたは会社人?それとも社会人?」

JR東日本入社16年目の丸山史人(まるやま ふみと)と申します!

現在は、本社建設工事部で年次計画の策定や採用・広報など、部門運営の仕事を担当しており、どの仕事も非常にやりがいがあります。ただし、それが「わたしの社会人としての全て」ではない、そう思っています。

さて、読んでいる皆さんに問いかけがあります。


「あなたは会社人ですか?それとも社会人ですか?」

「あなたはどんな社会にしたくて(ビジョン)、実現に向けて何をする(ミッション)人ですか?」


言語化できている大人、行動に移せている大人は実はそう多くこの世の中にはいないと感じています。


あなたにとって、有限である時間を何に費やしますか?

あなたがいま、社会に提供できる価値は何ですか?


かつて、わたしは同じ問いかけを自分自身に行いました。その時、自分ができることが抽象的で、特定の組織や業界に特化していることに気付いたのです。あらためて“社会全体”で見たときの自身の価値に対して疑問が浮かび、このままではいけないとあがきました。

この記事は、最も会社に時間を割いてきた「会社人・丸山」が、チームファンタジスタと出会い、会社から一歩越境し、「社会人・丸山」になることで見えてきた世界を綴ります。

これから会社人になる人、これから社会人になる人、自分の在り方(be)を探し中の人などに、少しでも参考になる部分があれば嬉しく思います。



「会社人」だった自分

入社して15年、会社の仕事に明け暮れてきました。

入社したきっかけは、老若男女を問わず「多」くの人が集い憩う「駅」という空間に魅力を感じ、路線・駅の改良を通して会社の経営基盤の強化に資する建設プロジェクトの企画・計画・実行を社内外の「多」くの人と連携して行うという、“「多」が集う空間を「多」で連携して創る”、という仕事に魅力を感じたことでした。実際に入社後も携われば携わるほど面白く、どんどんのめり込んでいきました。

上司・同僚も素敵な人が多くて(クセのある人もいますが…(笑))、人間関係で会社に行くのが嫌になったことはありません。


駅改良工事や連続立体交差化事業をはじめ、国土交通省への出向、東日本大震災の復旧・復興、ターミナル駅の将来構想を描き実現するための戦略を練るような未来を創る仕事に従事したり、会社全体の投資計画にも関わったりと、多様な経験をさせてもらいました。とにかく一つ一つの仕事で付加価値を提供することを意識して信頼を獲得し、新しい仕事を任されることに喜びを感じていました。

まさに、その当時の自分にとっては「仕事の報酬は仕事」。頑張れば、また周りから評価を受けて仕事が増えて、というスパイラルを楽しんでいたと思います。

しばらくして結婚し、二児の父親となりました。家族の時間も大切にするために、少しずつ公私のバランスを調整しながらも、いち「会社人」としての感覚のまま時を過ごしていました。


そんな自分の転機になったのは、コロナ禍でした。

いつ自分が未知のウイルスに感染し死ぬとも分からない緊張感に世界中が包まれている中、日本では我が国初の緊急事態宣言が2020年4月7日に発令。

それまでの生活が一変し、『三密回避』、この一言を遵守するために社会構造が一変しました。それまでの常識が変わり、ニューノーマルが普及、先行き不透明な「VUCA」と呼ばれる時代に突入します。


「オフライン」から「オンライン」への強制シフト。

イベントや行事、人との出会いも強制的に急速オンライン化。

数年前からその傾向はありましたが、『風の時代』らしく価値観・価値軸が大きく変わり、終身雇用で一つのコミュニティ(会社)に所属する個の時代から、複数のコミュニティに所属する時代へと、目に見えるレベルで社会は変わっていきました。

イノベーターとアーリーアダプターほど先行利益を手にする。そんな時代の変化をまざまざと見たように思います。


そんな社会全体が猛スピードで変化する状況の中でふと自分自身を振り返ると、完全に社内・自分の業界にしか目が向いておらず、典型的な「会社人」となっていたことに気付きました。

その時初めて、「社会人」としてのアンテナ・行動力が鈍っている自分に気付き、深夜に自宅のソファで独り、天井を見上げて途方に暮れたのを覚えています。


そんな時に出会ったのが、チームファンタジスタでした。ファウンダーの村上さんに連絡を取り、チームの活動について詳しく知ることに。そこから、驚くほど周りの景色が変わり始めたのです!

チームやメンバーの活動を知ることで新しい発見があるだけでなく、自分の在り方である「Beの肩書き(※「私はこんな人です」ということを表現するための肩書きのこと)」を言語化して行動に移している村上さんはじめ、多くのチームファンタジスタメンバーとの会話で刺激をもらい、自分自身と向き合うようになりました。


真っ白な紙とペン、そして一杯のコーヒーを準備して、自分が大切にしている価値観は何なのか、深夜に一心不乱に書き殴りました。


「そもそも”在り方”とは、何だ?」

「人に判断を委ねない、自分の中の確固たる選択基準・・・かな?」


そんなことを繰り返し自分に問いかけ、一つ一つの言葉の本質的な“そもそも論”も調べて試行錯誤しながら、ようやく自分自身のビジョンとミッションを紡ぎだしました。


<わたしのビジョン>ソーシャルグッドな世界を未来の子供たちに継承する

<わたしのミッション>1人の100歩より、100人の1歩を創る!!

自分を見つめることで見出した、ビジョンとミッション。以後、わたしはこの言葉に繋がる活動を行うようになっていくのです。


「会社人」から「社会人」への覚醒

自分を取り巻く世界を変えたければ、自分自身を変えるしかありません!それからは、ひたすらにインプットすることに専念。つまり、自分磨きに努めました。


具体的に、私が取り組んだことを挙げてみます。


・動画や書籍でビジネスリテラシーを高める。

・コミュニティに所属し、年齢・価値観・業種業態が異なる方との付き合いを開始。自身の視座・視野・視点を社会に向けるように。(参加したコミュニティ:東北プロボノプロジェクト、Rice Influencers、News Picks EXPERT、WEIN.TEAM、一般社団法人日本SDGs協会、サステナブルアカデミー、Start SDGs、SUNDREDインタープレナーコミュニティなど)

・コミュニティにただ所属するだけでなく、自らも積極的に時間を投資し、価値提供を心がける。必要な情報や人との繋がり、新たな挑戦機会などにつながるよう仕掛け、愚直にGIVERであり続ける。

・スキルを高めるべく、これまでの専門領域に捉われないスキルを獲得する。今後の社会で求められると感じ、自分自身も学びたいと感じたSDGs系の資格を7つ取得(SDGsビジネスマスター上級、SDGs推進士、SDGs de 地方創生公認ファシリテーター、SDGsビジネス検定、SDGsラーニングコーチ、SDGs推進コンサルタント、Get The Point公認ファシリテーター)。

・Start SDGsビジネススクール(4期)やクラファンキュレーター塾(2期)を受講、かけがいのない人たちとの出会い・繋がりを得る。


上記の活動は、仕事を終え帰宅してからの活動(zoom打合せや活動のための資料作成など)となるため、睡眠時間を削って、毎日就寝は27時という生活を一年間以上継続しました。


この頃は、やたらインプット、アウトプットと呪文のように唱え出していた時期(笑)。ただ、当初は莫大なインプットに取り組むにもかかわらずアウトプット出来る「内容」も「場」も持ち合わせていなかったため、「オレ、一人で睡眠時間削って何してるんだろ?」と、家のソファで一人虚しく天を仰ぐ苦しい時間もありました。


それでも、足りるところまで努力しようと愚直にインプットとSNSで発信を続けていきました。すると、少しずつアウトプットのチャンスを得られるようになっていったのです。

オンラインでのイベント登壇や多様な講義・講演・ワークショップなどを実施する機会を頂けるようになって選り好まず参加するうち、コミュニティやプロボノ活動などではプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーを任せてもらえるようになっていきました。SDGsオンラインフェスタの提案グランプリにSDGsビジネスアイデアを提案した時は、ファイナリストに選ばれ決勝ピッチ、3位に入賞することもできたのです。


徐々に参加する側だったはずが、気づけばSDGsイベントの審査員なども任せてもらえるようになっていました。その後も、SNSでは1年間で1,500人程と繋がるなど、活動範囲を拡大。インタープレナー(※)のイベントにも登壇し、自分の肩書きとしてソーシャルインタープレナーと勝手に名乗りはじめます(笑)。この頃には、活動の報酬は「仲間」でした。

(※)インタープレナー:越境思考を有し、社会起点で目的を共創して価値創造に取り組む個人のこと


▲SUNDRED株式会社のイベントでも登壇しました。


このように、「実践は全てに勝り人を成長させる」と信じて、とにかく場数を踏むことにこだわって活動を続けてきました。すると、自然と生きた知識が身につきステージが上の人との繋がりが得られ、自分の視座・視野・視点が変わっていくのを体感したのです。越境思考も育ち、どんどん見える景色が変わっていきました。


わたしは、がむしゃらに活動を続けているうちに、ひとつ、大切にしたいことに気づきました。

それは、「息を吸うように越境し、『遊ぶように働き、働くように遊ぶ』を社会の当たり前にしたい」という思いです。

社外でインプットやアウトプットを続けることで、これまでに出会うことができなかった刺激的な人ともたくさん出会うことができ、普段出会えないような著名人にプレゼンしフィードバックを受けるといった経験もしました。そんな経験を共有したい、そして自分の中で関連するモノ×コト×ヒトを掛け合わせて新たな価値を創出したい、いつしかそう思うようになりました。


そして、自分が社外で培った経験や人脈を自分だけで留めておくのではなく、会社に持ち込み、会社内でも境界をなくし全社グループ参加可能なSDGsコミュニティ「GuiDe-s(ガイズ)」を創設しました。

創設した「GuiDe-s(ガイズ)」では、外部の良い取り組みを共有・徹底的に真似して横展開を図り、どこかの部署で壁にあたっているという悩み相談があればみんなで知恵を集めて解決します。2021年5月に6部署で立ち上げてから、2022年4月現在は14部署となり、16回のミーティングを実施してきました。今後の「GuiDe-s(ガイズ)」の成長と社内外に与えるアウトプットも、ますます楽しみです。


誰もが「社会人」になる世界へ

チームファンタジスタと出会うことで、わたしは自分自身と向き合うことができました。

そして、自分と向き合って定めたわたしのビジョン・ミッションを実践するために、社外に一歩はみ出してインプット・アウトプットを繰り返す。そこで得た自分らしさを肩書きにし、「ソーシャルインタープレナー」として自分を成長させ、今度は社外で得たノウハウを社内にも持ち帰る。

このようなスパイラルを社内外問わず継続して取り組んでいる、というのが今のわたしの現在地です。今後も、自分のビジョン・ミッションへの取り組みを社内外で加速していきます。


本来、「社内外」という言い方も壁・境がある前提での言葉。

「誰もが息を吸うように社会起点で価値提供している状態」が実現したその瞬間、誰もが「社会人」になるのだと思います。

想像してみてください。

そんな「社会人」が増えて共創しだす社会ならば・・・ワクワクしませんか?

そんな社会を実現すべく、今後も「1人の100歩」より「100人の1歩」を創る活動を行っていきます。

「“遊ぶように働き、働くように遊ぶ”を社会の当たり前に。」というメッセージを掲げて活動しているプロジェクト提案集団「チームファンタジスタ」。

これからも、このチームのメンバーであることに誇りを持ちながら、活動していきたいと思っています。


さて、最後にもう一度同じ問いを。


あなたは会社人ですか?それとも社会人ですか?


その問いから生まれた、今の自分の思考と価値観と向き合ってみてはいかがでしょうか。

まずは、白紙とペンと珈琲を目の前に置き、あなたのモヤモヤを書き出すところから始めてみましょう。


そして、あなたに生まれた変化を話のネタに、ぜひ語らいましょう!

出逢う人、全てが師。学ばせて下さい!


丸山 史人(まるやま ふみと)

1982年、福岡県生まれ。2007年東日本旅客鉄道株式会社入社後、路線・駅の新設・改良における将来計画策定、事業スキームづくりに従事。2020年6月にチームファンタジスタと出会う。鉄道土木技術者、SDGs推進コンサルタント、SDGsビジネスマスター(上級)、SDGsTVラーニングコーチ、SDGs de 地方創生公認ファシリテーター、Get The Point公認ファシリテーター、東北プロボノプロジェクト2020-2021プロジェクトマネージャー、News Picks EXPERT、クラファンキュレーター、Rice Influencers。RFC実行委員会。自身のビジョン「ソーシャルグッドな世界を未来の子供たちに継承」・ミッション「1人の100歩より、100人の1歩を創る!」に向けて活動するソーシャルインタープレナー。



編集:大久保 真衣

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