100回記念企画vol.4「行動で変える、自分と地域の未来」大泉祐人さん

チームファンタジスタは2013年からスタートし、2022年には10年目を迎えました。毎月開催している「F-MTG(ファンタジスタミーティング)」は、2021年11月で記念すべき100回に達しています。

今回は100回に合わせた特別企画「“遊ぶように働き、働くように遊んだ"わたしたちの軌跡」と題して、ファンタジスタメンバーのインタビューをご紹介します!

第4弾は、東北地方出身であり、現在も仙台で東北の鉄道事業を支える大泉祐人(おおいずみ まさと)さん。学生時代に経験したことから、いつも変わらずあるのは東北地方のためにできることに取り組みたいというぶれない思い。ご自身が大切にしている「行動」をすることで、自分の世界を常に切り拓き続けています。あらためてこれまでの取り組みや、これから大切にしたい思いについて聞きました。


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はじめまして。2014年にJR東日本に入社した大泉祐人(おおいずみ まさと)と申します。入社後列車の運行を支えるシステムの工事設計などを担当し、現在はオフィスビルの工事設計を担当しています。

(地元:被災地の風景)


私は仙台市出身で、学生時代も仙台で過ごしました。学生時代には東日本大震災を経験し、津波で住んでいた地域の半分が流されました。私の転機になったのは、震災から数日後にテレビで放映されたニュース。それは、震災からわずか50日目で新幹線が被災地域に運行するというものでした。画面に映し出されたのは、地元の方々が新幹線に手を振り、涙を流す姿。それを見て「鉄道はただのインフラではない、地域に住む人々の想いも乗せているのだ」と感じ、鉄道というインフラから東北地域を活性化させたい想いから、JR東日本に入社しました。


私と「チームファンタジスタ」との出会い

 入社7年目の時に、自分がやりたいこととは何なのかとふと向き合った時がありました。「東北地域を活性化させたい」と思って入社したけれど、現在の業務が本当に東北地域の活性化に繋がっているのかどうかを改めて考えるようになったのです。

そんなときに見つけたのは、会社の社内掲示板で流れた「ON1000(オンセン)」のアイディア募集の告知でした。ON1000とは、JR東日本グループの社員一人ひとりが未来への想いを軸に事業化を目指すプログラム。社内でビジネスアイディアを公募し、役職や職種を問わず自由に応募できる新規事業創出の場として2018年にスタートした取り組みです。

「ON1000は、なんて楽しそうな取り組みなんだろう」そして、「こんな楽しそうなON1000は、誰が考えたのだろう」そう思ってインターネットで検索し辿り着いたのは、発案者であり「チームファンタジスタ」創設者である村上さんのインタビュー記事でした。

その記事を読んでチームファンタジスタの存在や、その活動について知ったのです。

私は、すぐに会社のメールで村上さんにどんな活動ですか?と連絡。それをきっかけに、今は自分自身も月に一度の「F-MTG(チームファンタジスタの定例ミーティング)」に参加しています。


行動をきっかけに生まれた、新しい事業創出の場

(陸前高田へ足を運び、東北プロボノで出会った事業者の方との記念の一枚)

ミーティングに参加するたび私が驚くのは「チームファンタジスタ」で活動するメンバーの、圧倒的な行動量です。

「こんなこと考えてます!」や「こんなことやりたいけど、どうしたらいいですか?」と、ミーティングで議論し、皆で最適解を見つけていく。そんなメンバーとのミーティングに参加していくうちに、私も所属する部署で新規事業に繋がる活動を通じて東北地域を活性化させたい!そう思うようになりました。


私の所属は、東北地方の駅の新設や列車の運行を支えるシステムの改良等を行う部署です。メインの仕事は「東北地方の大規模な工事」を担当する部署で、これまで新規事業の開発の取り組みは多くありませんでした。

私は「チームファンタジスタ」の活動内容を聞いた翌日、部署の上司に「社内でこんな活動があります!」「このような考えは所属する部署でも必要だと思います!」と報告。今思えば、なぜそんな行動をとれたのかと疑問に思うほどですが…。けれど、報告した上司には面白いと感じてもらえたようで、そこから「どうしたら、所属する部署でもそのような取り組みができるか」を一緒に考えてくれたのです。

それから数ヶ月が経ち、所属する部署でも“部署内版ON1000”である新規事業開発に繋がる活動が始まりました。これまでもそういった取り組みをしたいという声がいくつか上がっていたこともあり、素早く実現につなげることができたように思います。現在も、試行錯誤しながら新規事業の検討活動を続けています。


 東北地域のためになることがしたい。そんな思いから、会社外でも2020年9月から新しく「東北プロボノプロジェクト」の活動を始めました。

「東北プロボノプロジェクト」とは、東北で熱い思いを持って活動する事業者と全国から集まったプロボノ参加者とが、共創する6ヶ月間のオンライン完結型のプロジェクト。「チームファンタジスタ」と出会いミーティングに参加している中、メンバーが参加していたことをきっかけに、このプロジェクトの存在を知りました。「地域に生息する椿をつかった『椿茶』を事業の柱に成長させる」というテーマで、プロジェクト参加者と共に議論を重ねました。


私はまさに、「行動することの大切さ」をファンタジスタのメンバーと接する中で感じています。

ファンタジスタに参加していなかったら、行動することを恐れていたり、自分に都合の良い言い訳をして行動することを避けていたかもしれません。チームファンタジスタに参加して「行動することの大切さ」を学び、実際に行動に移せるまで自分自身に変化が起きたように思います。

震災から10年が経つ中で、まだまだ自分は地元の東北に恩返しができていないと感じています。これからは会社でも会社の外でも、東北地方に関わることを続けていきたいと思います。


迷わず行動することで拓く、自分らしい未来

やりたいことはなにか?と問われたら、私は「東北地域を活性化させたい」と答えます。

とても大きなテーマだと思いますが、私がJR東日本で行っている仕事もそんな漠然とした“やりたいことのひとつの手段”なのだと思います。


少し前まで、もっと具体的に「やりたいこと」はあるべきなのではないか。そう思っていたのですが、今では「やりたいこと」が漠然としていてもいい、明確になくてもいいのではないかと思っています。

行動する前に「行動したらどうなるのか?」「何を得ることができるのか?」そんなの関係なしに、“まずは行動”してみる。やりたいことが漠然としているけど「これ興味があるな」「こんなことしたら楽しそうだな」そう思ったらまず行動してみるのが、一番大切なのだと実感しています。なぜなら、自分自身が行動してみた結果、明らかに見える景色が変わったからです。

行動して得たことは、すべてこれからの自分にとっての大切な一つのピースになるのだと、これまでを振り返っても思います。


「やらない後悔より、やる後悔」という言葉がありますが、私は行動してみて後悔したことは今までありません。「これ、やりたい。」そう思った時が、行動する最適なタイミングだと思いますし、最善な結果が付いてくるのではと思います。


行動することの大切さは、「チームファンタジスタ」の中ではもちろん、大好きな映画の中からも学んでいます。

私の大好きな映画の中に、「マイ・インターン」という映画があります。最後は、その映画のワンシーンの言葉で締めくくりたいと思います。ロバート=デ・ニーロが演じた「ベン」が、「好きな名言は?」と同僚に聞かれ、「正しい行いは、迷わずやれ」と応える場面。私は、この言葉が大好きです。

これからも、正しいと感じたときは、迷わずに「行って」いきたいと思います!



大泉 祐人(おおいずみ まさと)

仙台市出身。2014年東日本旅客鉄道㈱入社。東日本大震災の影響で、地元の半分が津波で流され、「東北地域を活性化させたい」その一心でJR東日本に入社。東北地方の鉄道通信設備の工事設計を経て、現在は所属部署内で新規事業の検討や、東北地域の活性化に繋がる活動を行っている。好きな言葉は、「正しいと思ったことは迷わずやる。」趣味は、読書、nano block。


編集:大久保 真衣

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