100回記念企画vol.6「”壁”を乗り越えて、想いを形にし続けるアクション」工藤力さん

チームファンタジスタは2013年からスタートし、2022年には10年目を迎えました。毎月開催している「F-MTG(ファンタジスタミーティング)」は、2021年11月で記念すべき100回に達しています。

今回は100回に合わせた特別企画「“遊ぶように働き、働くように遊んだ"わたしたちの軌跡」と題して、ファンタジスタメンバーのインタビューをご紹介します!

第6弾は、工藤 力(くどう りき)さん。仕事のかたわら、次世代の移動をアップデートするプロジェクトを実行中。学生時代から今まで、「思いを届けて人を感動させる」ということに取り組んできました。取り組む内容は変わりながらも、バックグラウンドにある思いはぶれることがないようです。工藤さんの日々の活動の原動力とは?学生時代から今の活動や、今力を入れていることについて聞きました。



はじめまして。JR東日本の3年目の工藤力(くどう りき)です。現在は、千葉エリアの商業施設の維持管理・小規模開発業務を担当しています。その傍ら、社外の活動として「電動キックボード」の開発や普及に関わるプロジェクトを行っています。

今は、学生時代から社会人になった今まで経験したことを経て、少しずつ自分のやりたいことを言語化してアクションを起こせるようになってきたところです。これまで行動する度に様々な壁にぶち当たってきましたが、その「壁を楽しみ乗り越える」ということが最も自分にとってワクワクする瞬間でもあり印象的な経験だったので、今回はそんなエピソードをご紹介したいと思います。


バンド活動で知った、想いが伝わった時の感動

私は学生時代、本当に音楽が大好きでした。特にロックバンドが好きで、夜中まで曲を聴いては感動しまくる、そんな青春を送っていたんです。そしていつしか「自分も想いを込めた歌で誰かを感動させたい!」と考えるようになり、友人たちとバンドを結成しました。   

そんな熱い想いで自分たちのライブを開催するも、当初思ったように来てくださった方々には届きませんでした。

歌で誰かを感動させたい!と気合を入れてライブで演奏するも、最後までお客さまが曲を聞いてくれずに途中で帰ってしまうということがよくあったんです。技術も未熟でライブ経験も少なかった私たちが、現実の厳しさを感じた瞬間でした。


それでも、私たちは自分たちの歌で誰かを感動させたいということは諦められませんでした。改めて「どうしたら自分達の曲を最後まで聴いてもらえるだろう?」とメンバーで話し合うことに。そんな中、ライブ後に観客にアンケートを実施してみると不思議と「MCの後の曲」が人気であることに気づいたんです。


「もしかしたら、MCで観客との距離感を縮めることが、曲を観客に聴いてもらえる近道なのかもしれない」ーそう思った僕たちは、アイディアを出し合いMCの流れを工夫し、観客参加型のやり方を取り入れてみました。私達の曲を聴く前に、バンドメンバーのキャラクターが伝わるエピソードを交えたMCやコールアンドレスポンスを必ず実施するなど、どうにかして来てくださっているお客さまに心を開いてもらい、私達の曲に没入できる空間作りを試行錯誤してみたんです。すると、お客様が周りの様子を伺っていたり、棒立ちで曲を聴いていた状態が、自然とリズムに乗り感情を表現して曲を最初から最後まで聴き入ってくれるようになるなど、私たちとお客さまが一体となって曲を楽しみ、「曲を通じて伝えたい想いが伝わる」空間を生み出すことができました。

それを何度も続け、繰り返しブラッシュアップした結果、観客から「感動した」と声をかけてもらえるようになったのです。歌で思いを届けられたという経験は、自分達にとってもかけがえのない経験になっています。


うまく想いが伝わらなくて悔しい経験を何回しても、その度に相手の気持ちを考えて何度も想いを形にし続けるというアクション。そしてその結果、思いが伝わり嬉しい言葉をもらえるまでに至ったという経験。そんな壁を乗り越えたことが、仕事においても会社外の活動においても、今の私の「試行錯誤して行動する力」の源になっていると感じます。



「行動の障壁を取り除きたい」から生まれたプロジェクト

コロナウィルスの影響で世界が一変したことで、改めて自分自身の仕事や生き方を振り返って「自分が何をやりたいのか」を自問自答するきっかけになりました。改めて自分に問いかけてみた時、現れた自分自身の思いは「誰かが行動を起こす際に、障壁になるものを取り除きサポートしたい」ということでした。


2021年4月には、私は大学時代の仲間と共に電動キックボード『TORAFOOT』を開発し、普及活動を行うプロジェクトを立ち上げました。コロナ禍で、人々の「移動」が大きく変化している昨今。ECやテレワークの普及などが進み通勤が以前よりも不要になり、遠出して買い物する必要が少なくなっているからこそ、今後は「パーソナルエリア」を充実させる短距離移動が重要になってくるのではないかと考えていました。そんな変化の中、自分自身も川崎で近い場所を移動することが増えていた際に「電動キックボード」という製品と出会ったのです。「これは未来の短距離移動の手助けになる!」と未来への可能性を強く感じ、プロジェクトを立ち上げて製品開発に携わることになりました。



一歩ずつ改善し、世の中に届ける喜びを知る

可能性を感じたキックボード。実際に開発を手がけてみると、自分たちで立ち上げたプロジェクトの理想を実現するためには、製品開発をする上で様々な困難があることにも気づきました。けれど、どんなに難しそうだと思ってもいつも心の中にあるのは「どうやって乗り越えるか」ということだけ。プロジェクトのメンバーとともに、”どうすれば製品にある課題を解決できるのか”を考えて、一歩ずつ改善をはかりました。


現在、制作に携わった電動キックボードは、開発期間約1年間をかけて世の中に出ています。自分たちが手がけたものがメディアなどの記事に取り上げられていることを見る機会もあり、力を尽くしたことが世の中に広まっていくことには、言葉にできない感動がありました。


今後も「人の行動の障壁をなくす」という思いの実現に向けて、まずは自分達が手がけたものを一人でも多くの方に知ってもらい、乗ってもらえるように取り組みを進めていきたいと思っています。

現在、電動キックボードのプロジェクトに取り組んでいますが、より普及させていくのはもちろんのこと、もっと他の事柄とシナジーを生み出す電動キックボードの利活用はないか考えているところです。例えば、魅力的な街が広がる世田谷のエリア。そこで、パーソナルエリアをもっと広げたい短距離移動ニーズがある物件に対して、居住者シェアサービスを提供したりすることができるのではないか?という、電動キックボードの"もの“のみにとどまらない可能性ことも構想しています。これからも、時間の許す限り考えて行動していきたいと思います。




工藤 力(Riki Kudo)

チームファンタジスタメンバー。2019年に東日本旅客鉄道(株)入社。建築部門で商業施設の維持管理、小規模開発を担当。入社前からチームファンタジスタの『遊ぶように働き、働くように遊ぶ』の理念に共感し同社に入社。2021年4月より「誰かが行動を起こす際に、障壁になるものを取り除きたい」という思いで仲間とプロジェクトを立ち上げる。現在は、電動キックボードの開発・普及を通じて、近距離移動の自由を目指している。


編集:大久保 真衣

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