100回記念企画vol.7「人と縁を”循環”させて取り組む、私らしいまちづくり」岡志津さん

チームファンタジスタは2013年からスタートし、2022年には10年目を迎えます。毎月開催している「F-MTG(ファンタジスタミーティング)」は、2021年11月で記念すべき100回に達しました。

今回は100回に合わせた特別企画「“遊ぶように働き、働くように遊んだ"わたしたちの軌跡」と題して、ファンタジスタメンバーのインタビューをご紹介します!

第7弾は、チームファンタジスタの結成初期からのメンバーでもある岡 志津(おか しづ)さん。組織の枠にとらわれることなく等身大な気持ちを軸に行う岡さんのアクションは、まさに素晴らしき“公私混同”。ライフステージが変わっても、人・地域・会社のつながりを生み出し続けています。以前こちらのインタビューでも登場いただいた岡さんに、あらためてこれまでの活動や、これからのなりたい姿について聞きました。

▶︎岡さんの2017年のインタビュー「ゆるやかに、気負わずに、ただ続ける地域との接点のある生活。「荻窪おたがいさま食堂」が教えてくれること。」はこちら



はじめまして。JR東日本の不動産系グループ会社の岡志津(おかしづ)と申します。前職ではゲームの開発の仕事を4年間行い、今の会社は入社してから14年目のいわゆる中堅社員です。

今の会社では、入社以来11年間ショッピングセンター(駅ビル)の開発や運営、販促を担当しました。その後、2020年に新しくできたまちづくりのソフト部分であるエリアマネジメントを推進する部署に異動し、産休育休を経て2021年4月に復職し、今に至ります。

今の部署は、会社の主力事業では全くありません。ただ、長期視点で考えると絶対に必要だと感じています。そして同時に、今自分が会社で関わっていることが、実は私が仕事もプライベートも関係なく好きでやってきたことでもあります。

ある意味“好きなことをやってたら仕事になった”というラッキーな会社員かもしれません。あらためて振り返ってみると、ポイントになったことがいくつかあったので、今回はそんな話をしてみようと思います。



「言われなくても、勝手にやる。」わたしの社会人の4つの時期

振り返ってみると、私の社会人歴は、4つの時期で構成されていました。


・ただの社会人期 2005〜2012年(23〜30歳)

・勝手にやる期 2012〜2017年(30〜35歳)

・仕事で勝手にやる期 2017〜2020年(35〜38歳)

・マジで仕事でやる期 2020年〜(38歳〜)


転機になったのは、やはり『勝手にやる期』。同級生たちと一緒に地元広島のカタログギフト「備後のギフト」を作ったり、引っ越した先の荻窪では“おたがいさまの場”づくりとして、みんなで作ってみんなで食べる「おたがいさま食堂」の運営をしたり。

仕事に面白さを感じられずに悶々としていた時期でしたが、ただ悶々と日々を過ごすのではなく、それなら外で何かやろう!と自ら動いたことは、好きなことを仕事にするための第一歩になったと思います。

「自分の好きなこと」「社会が必要としていること」「会社が必要としていること」。その3つの円が重なる何かがすぐ見つかれば良いですが、仕事が重なっていなければ仕事以外で勝手にやればいいのです。



※岡志津さんの『勝手にやる期』のインタビューはこちらから



面白い仕事を生み出したのは、会社の外の「人」と「縁」

『仕事で勝手にやる期』が始まるきっかけになったのは、まちを面白がるチーム「阿佐ヶ谷エンジンズ」の立ち上げに携わったことです。

駅ビルのリニューアルをきっかけに、まちと関わる何かをやろう、そんな話が持ち上がりました。当時私は別のエリア担当を行っており阿佐ヶ谷は担当外だったのですが、駅ビルの現場勤務だった経験が活かせると思い、アイデアを出したところ見事採用されました。


パートナーを務めてくれた会社は、阿佐ヶ谷の不動産屋「エヌキューテンゴ」さん。「勝手にやる期」で登場した「おたがいさま食堂」のつながりです。まさに、勝手にやっていたことが、初めて仕事につながった瞬間でした。


エンジンズのやることは「まちを面白がること」です。まちのマップをつくってそれを肴に語る会をしてみたり、まちの小ネタを募集してみたり(一位はなんと「図書館の前の道はすごくぼこぼこしている」というお子さんからの投稿だったというのが印象的でした)、偏愛さんたちが出店するマーケットをしてみたり(ビール瓶のラベル偏愛さんからラベルの剥がし方を教えてもらいました)・・・いやほんと、知らなかった事ばかりだし、これを駅前でやってるおかしさと、なにしろ「自分で楽しめる人がいるまちは面白い!」と心底感じました。

エンジンズ以外にも、周辺高架下の社内施設と連携して、暗い汚い怖いイメージのある高架下のイメージを変えたい!と社内プロジェクトをつくり、高架下での映画祭や芸術祭、高架下でのやりたいことの募集などを行いました。


この頃は、本社販促課で駅ビル全体の販売促進の仕事をしていたため、メインの仕事の一部としてやっている状況でした。


「この分野なら岡に聞け」そう言われる“社内の一番”に

こんな感じで仕事をしていると「どうやらあいつはこういうのが好きらしい。しかもなんか詳しくなってきてるぞ。」と思ってもらえるようになってきました。ものすごくニッチな分野ですが、社内でこういう系ならこいつだ、と真っ先に顔が浮かぶようになれたのです。

そして幸運にもエリアマネジメントを推進する部署が新しく出来、そこに異動することになりました。こうして私の『マジで仕事でやる期』が始まったのです。


なんで“まちに関わる仕事”が好きなんだろうと改めて考えてみると「面白い人たちと出会えるから」という答えに辿り着きました。

今までやってきたお店のリーシングや運営、販促の仕事で出会うのは、仕事としてやっている人たちです。(仕事だから当たり前なのですが…。)

うちの会社では「くらしづくり・まちづくり」と言っていますが、こういった場で出会うのは、仕事関係なく好きだからやってる人だったり、自分の想像を超える変な人だったりします。そんな人たちから刺激をもらって自分の枠を広げてくれる感覚、それが醍醐味だなぁとつくづく思いました。

そして、個人的なこだわりとしては「王道」が嫌い!変な人と思われるのが好きで、社内でも常に異端でありたいと思っています(笑)。そういう意味ではまた新しいことやりたいな、と思い始める今日この頃です。



目指すは“アップサイクルキュレーター”。大切なものをつなげて循環させていく

ファンタジスタの活動の中で付けた「受け取った大切なものたちを整理して、新たな価値を付加して循環させるアップサイクルキュレーター」という自分オリジナルの“beの肩書き”は、今の自分というよりも私の目指す姿です。

2020年に子どもが生まれてからさらに、これまで関わった人たちのおかげで今の自分があることに感謝し、次の世代につなげていくということを意識するようになりました。

エリアマネジメントという仕事面では、次の世代に向けて、よいと思えるまちをたくさん増やせるといいし、自分のまちを面白がることができる人がたくさんいるまちにできたらいいな、と思います。


自分の住んでいるまちももっと知りたいと、昨年から地域活動に参加してみたり、また仕事以外で勝手にやりはじめています。

子の世代に残したいことはまだまだ漠然としていますが、これからもそんな基準で自分の行動を選択していきたいなと思っています。




岡 志津(Shizu Oka)

広島県福山市出身、(株)セガにて空間デザインの仕事に携わり、現在は(株)ジェイアール東日本都市開発にて勤務。ショッピングセンターの開発・運営・販促の仕事を11年間担当。現在はエリマネを推進する新規部署に勤務しながら、阿佐ヶ谷高円寺エリアを中心に自分の「面白い!」と思えることをベースにアップサイクルキュレーターを目指して楽しい仕掛けを準備中。



編集:大久保 真衣

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